子どもに思い描いた夢があった。進学、就職、恋愛、結婚――。あの日、突然奪われてから、家族たちの闘いは始まった。地震発生直後、海側へ向かう幼稚園バスに乗せられ、津波の犠牲になった園児の遺族らの訴えを認めた17日の仙台地裁判決。父母たちは涙を浮かべ、「同じことを繰り返さないで」と訴えた。

【写真】津波犠牲者の遺族らが起こした主な訴訟

 「被告は原告に金員を支払え」――。斉木教朗(のりお)裁判長が言い渡しを終えると、遺族らは裁判長に向かって深々とお辞儀し、互いに手を取り合いながら涙を流した。


 次女の春音さん(当時6)を亡くした西城靖之さん(45)は、こぼれる涙を手でぬぐい、「私たちは間違っていないんだ、と自分たちに言い聞かせて2年間闘ってきましたが、司法が認めてくれた」と語り、声を詰まらせた。