南海トラフ巨大地震などの大規模災害時に警察署での情報収集態勢を確認する県警の災害図上訓練が15日、県警察学校(和歌山市)で行われた。各署の警備課員らが参加し、無線を使って各方面へ指示を出していた。


 大規模地震の際に住民を迅速に避難させるとともに警察官の殉職を防ぐことを目的に、災害時の警備活動を学ぶ研修の一環として実施。各署の警備課員ら16人が参加した。


 訓練は、土曜日午前の湯浅署での当直中にマグニチュード9・0の地震が発生し、県内の沿岸部に大津波警報が発表されたとの想定で開始。地震発生約35分後に10メートル程度の津波が湯浅町沿岸部に押し寄せるとし、それまでに住民を避難させ、管内の被害状況を収集することを目標にした。


 訓練開始とともに、県警本部や各交番から、避難状況などを報告する無線が次々と入り、当直役の警備課員らが黒板に書き込んで内容を確認。「周辺の被害状況を送れ」などと指示を出し、情報収集にあたった。


 県警警備課の上田昌弘・緊急事態対策室長は「事前に想定を知らせず実施したが、思ったよりも迅速、的確にこなせた。さらに練度を高めていきたい」と話した。