津波災害に備え酒田市が無設置地区で進めていた防災行政無線の屋外整備が29日までにすべて完了した。同日には、同市若竹1の港南公園で、同地区自治会関係者ら約10人を集め説明会を開いた。 行政無線は高さ14メートル90センチの鉄柱にスピーカーとアンテナ、回転灯、電話などを装備。周囲約500メートルで聞こえる。24時間稼働で、緊急放送時は回転灯が点灯し、市役所と電話連絡できる。風速60メートルでも倒れないという。

 市は約1億1000万円をかけて昨年11月から津波浸水予測域とされる19カ所で行政無線を新設、8カ所で改良を進めていた。設置数はこれで計136カ所になる。

 港南公園一帯は、地震発生後約30分で津波が到達、浸水深は最大約5メートルと予測されている。若竹町北部自治会長の斎藤一巳さん(74)は「海抜2メートルほどのこの地域に、以前から要望していた行政無線が完成しうれしい。訓練や災害時に活用していく」と話していた。

 市は、全136カ所で毎月第2火曜の午前10時から3分程度、試験放送する予定。初回は4月9日午前9時から。【佐藤伸】

3月30日朝刊