東京大学地震研究所は6日、立川、武蔵村山市境にある日産自動車村山工場跡地で進めている立川断層帯のトレンチ(調査溝)を報道公開した。都は昨年4月、首都直下地震などによる被害想定を見直し、立川断層帯地震を初めて盛り込んだばかり。同研究所は8、9日に一般公開する。 立川断層帯は、青梅市から立川、府中市へ延びる約21キロと、埼玉県飯能市から青梅へ延びる約12キロの2断層を合わせた都内唯一の活断層。国の地震調査委員会は11年、東日本大震災の地殻変動で地震発生確率が高まったと発表。都の被害想定ではマグニチュード(M)7・4の地震を引き起こし約2600人が死亡、約101万人が避難者になるとされる。

 同断層帯周辺は住宅が密集し、調査できる土地が限られていた。そのため過去の活動を含め、多くが未解明だ。今回は工場跡地の地権者から協力が得られ、長さ約250メートル、幅約30メートル、深さ約10メートルと通常の10倍近い巨大トレンチを掘って調査が可能になったという。

 調査リーダーの石山達也助教は「実際に動くと、どんな揺れでどんなリスクが生じるのか最終的にはっきりさせたい」と話す。調査は14年度まで実施し地震調査委に報告。評価を経て防災計画などに反映される見通し。

 一般公開は8、9日とも午前10時〜午後3時で雨天中止。立川バス「大南1丁目」停留所前が入り口。【平林由梨】

2月7日朝刊