東日本大震災の津波で自動車学校の送迎バスで犠牲者を出した教訓を生かそうと、湯浅署はこのほど、広川町広の自動車学校「カースクール湯浅」や湯浅広川消防組合消防本部と協力して、津波避難訓練を実施した。 訓練は、避難困難地域に指定されている湯浅町内の沿岸道路を路上教習で走行中に、紀伊半島沖を震源とするマグニチュード9クラスの地震が発生したとの想定で行われた。教習指導員たちは揺れを感じると、車を止めて、トランクからラジオを取り出して情報収集するとともにライフジャケットなどを着用。「橋が2本崩落した」などの情報を聞きながらルートを選んで運転。交通渋滞に遭って車での避難をあきらめ、徒歩で海抜約30メートルの湯浅城を目指した。
同署によると、南海トラフ巨大地震の想定では、湯浅町は36分で11メートル、広川町は35分で10メートルの津波が到来する。今回は地震発生6分後に発せられた地元ラジオ局の避難情報から湯浅城に避難するまで25分かかった。
教習指導員の宮井美和さん(32)は「道の損壊や液状化が発生したら、想定時間内で逃げるのは難しくなる。判断力は情報収集力。日ごろから海抜を気にし、避難ルートを考えていきたい」とし、同署の堀内義樹警備課長は「訓練することで災害発生時、体が自然に動くと思う。住民の高い防災意識を維持できれば」と話していた。【竹内望】
11月22日朝刊
同署によると、南海トラフ巨大地震の想定では、湯浅町は36分で11メートル、広川町は35分で10メートルの津波が到来する。今回は地震発生6分後に発せられた地元ラジオ局の避難情報から湯浅城に避難するまで25分かかった。
教習指導員の宮井美和さん(32)は「道の損壊や液状化が発生したら、想定時間内で逃げるのは難しくなる。判断力は情報収集力。日ごろから海抜を気にし、避難ルートを考えていきたい」とし、同署の堀内義樹警備課長は「訓練することで災害発生時、体が自然に動くと思う。住民の高い防災意識を維持できれば」と話していた。【竹内望】
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