地震時「危険」、23区に集中…5段階ランク

 東京都は17日、都内の全市街化区域について、地震発生時の危険度ランキングを発表した。


 東日本大震災後、初めての見直しとなる今回は、液状化のリスクを「建物倒壊危険度」に加味するとともに、総合危険度に、道路が狭いなど救助活動の難しさを表す「災害時活動困難度」を新たな指標に加えた。


 危険度調査は1975年にスタートし、原則5年ごとに地震による「建物倒壊危険度」と、「火災危険度」、二つの危険度を合わせた「総合危険度」を5段階評価する。


 総合危険度では、都内全5133地区のうち、最も危険度の高い「5」は84地区、次いで危険な「4」は284地区あり、いずれも23区内に集中した。


 多摩地域の市町村は、全て「3」以下と評価された。


 東日本大震災では、都内でも液状化被害が出たことから、都は今年3月、17年ぶりに液状化予測図を見直し、液状化の「可能性が高い地域」が4・4平方キロ増えた。


 今回の調査は、液状化予測も「建物倒壊危険度」に反映させ、地盤が弱い荒川沿いや隅田川沿いの一帯のほか、品川区や大田区の一部などに、多くの建物が地震で倒れる可能性のあるエリアが広がっている。


 一方、火災危険度の高い地域は、23区の環状7号やJR中央線の沿線などの木造住宅密集(木密)地域に多く分布していた。


 総合危険度では、新たに加わった「災害時活動困難度」によって、幅6メートル以上の道路の整備が進んでいる台東区や墨田区南部などが5年前に比べ、危険度ランクが下がった。これに対し、道路整備が遅れている中野区や杉並区東部の木密地域は危険度がアップした。


 都都市整備局は「震災対策事業の優先順位をつけて地震に強い街づくりを迅速に進めていきたい」と説明している。

幼稚園バスで津波犠牲、園側に賠償命じる 仙台地裁判決

 【力丸祥子】東日本大震災の発生直後、宮城県石巻市の私立日和(ひより)幼稚園が高台から海側へ送迎バスを出発させ、園児らが津波に遭って死亡した事故で、園児4人の遺族が運営法人と当時の園長に計約2億7千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が17日、仙台地裁であった。斉木教朗(のりお)裁判長は「地震後、ラジオなどで津波の情報を積極的に集める義務を怠った」として、園側に1億7700万円の支払いを命じた。


 津波の犠牲を巡っては、七十七銀行女川支店(宮城県女川町)の屋上に避難して12人が死亡・行方不明となった事故など、遺族側が管理者の責任を問う訴訟が少なくとも9件あるが、判決はこれが初めて。


 この事故は2011年3月11日の震災当日に起きた。地震発生直後、幼稚園の送迎バスが園から出発。乗っていた5人が犠牲となる一方、高台にある園は津波の被害を免れた。犠牲となった5人のうち4人の遺族が提訴した。

園児送迎バス訴訟、園側に1億7千万賠償命じる

 東日本大震災で、宮城県石巻市の私立「日和(ひより)幼稚園」の送迎バスが津波に巻き込まれた事故を巡り、死亡した園児4人の両親が園側を相手取り、2億6689万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が17日、仙台地裁であった。


 斉木教朗(のりお)裁判長は「元園長が情報収集義務を怠った結果、高台から海側にバスを出発させ、津波被災を招いた。安全配慮義務違反による損害賠償責任がある」として、1億7664万円の支払いを命じた。大きな揺れが約3分続いたことなどから「津波は容易に予見できた」と判断した。


 訴えられたのは、同幼稚園を運営していた学校法人「長谷川学院」と当時の園長。震災の避難誘導を巡り、管理者の責任を問う訴訟で判決が出るのは初めて。


 判決によると、送迎バスは、地震発生から約15分たった2011年3月11日午後3時頃、園児12人を乗せ、高台の幼稚園から海側に向けて出発。7人を降ろした後、門脇小学校にいったん避難した後、園に戻る途中で津波に巻き込まれて横転、火災に遭って、園児5人と添乗していた女性が死亡した。運転手は被害を逃れ、幼稚園は津波を受けなかったが、今年3月、休園した。


 訴訟の最大の争点は、バスが津波に巻き込まれることを予見できたかどうかだった。


 園側は「予測不可能な異常な津波で引き起こされた不可抗力による事故」と主張していたが、判決は「最大震度6弱の揺れが約3分も続いており、地震の震源地などによっては巨大な津波に襲われるかもしれないことは容易に予想され、ラジオや防災無線を正確に聴くべきだった」と判断。「報道では宮城県に6メートルの津波が予想されており、高台の幼稚園にとどまるきっかけとなる程度の津波の危険性を予見することは可能だった」と退けた。
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